うつとの違い

うつとの違い

うつとの違い


せん妄以外にも認知症と間違われ易いのが「メランコリー」です。
メランコリーとは、心がふさいで気分が落ち込んで全てのことにやる気が起こらなくて憂鬱なときのことです。
思考能力も低下して、もの事をいまいち考えられなくなります。
基本症状としては、うつでは抑うつ症状や心気的症状がみられます。
認知症では、記憶障害や認知力が低下します。
感情で比較すると、うつでは抑うつ気分を持続しているのに対して、認知症では表面的に感情が現れて、動揺性もあります。
記憶や認知に関しては、認知症の典型的な症状といえますが、うつではきっとみられない症状です。
言語にも認知症は影響を与えて言語障害が会話に支障をきたすほど現れますが、うつでは言語障害はみられません。
人との会話は、うつではただ反応が鈍くなったり「わからない」と答えたりするだけなのに対して、認知症では怒ったり、言い訳をしたり、作り話をしたり、答えなかったりします。
これらの感情はうつでは、数時間から数週間持続しているだけですが、認知症では永久的に持続しています。
再度メランコリーの典型的な感情として、自殺願望がありますが、認知症には自殺願望はあらわれません。
このようにしてメランコリーと認知症ではあきらかに症状に違いがあります。
うつの場合は抗うつ剤などの投与によって症状がいくらか改善されます。
いずれにしてもこれらの症状があらわれたらすぐにクリニックを受診して下さい。
一瞬だけですぐに症状がなくなったとしても、ことごとく専門医に診せて検査を通じてもらいましょう。

病院

病院を受診するときは予め医者からの問診に答えられるようにある程度答えを考えておくことが必要です。
認知症診断では日頃の様子を患者自身や家族から問診します。
この情報が診断にすごく影響があります。
いつころから如何なる症状がでたのか、症状が気になりだしたころからノートなどに日にいささか症状をつけておくと病院に行ったところ困らなくてすみます。
急遽病院で聞かれて焦って答えられないと困りますから事前に準備しておきましょう。
よく問診で仰ることとして、いつころから症状がでているのかその時期と如何なる症状だったのかを聞かれます。
他にも現在も続いている症状には如何なるものがあるのか。
現在困っていること、かかっている病気はなにか。
今までにかかったことのある大きな病気はあるか。
現在服用している薬はあるか。
常用している薬がある場合は、薬の添付文書あるいは薬を持ち歩いて赴き医者に見せましょう。
本人が答えられないものは家族がしっかりと日頃の様子を接するようにしてください。
他にはCTやMRI検査を通して脳を調べたり、血液検査や尿検査を通して体調をチェックしたりします。
腱反射検査などで運動機能や神経系のチェックも行います。
なんらかの病気が認知症に影響を与えていることも思い当たるため病気を持ち歩いていないかチェックします。
病院によっては記憶テストを通して記憶障害や認知障害の具合を見ることもあります。
問診結果とこれらのテストの結果、検査結果を総合して医者は認知症の診断を下します。

心理療法


患者さんごとに認知症の症状も違いがあります。
そのためその人に合ったケアを通して行くことが認知症治療の上で最も大切なことです。
精神的にケアすることと、日常生活をケアすることなど必要となるケア内容も人によって違います。
他にも専門医による心理療法も大切な治療方法です。
精神科の医者や理学療法士などの各種療法士が行います。
治療方法としては、本人の過去の話を聞いて過去を回想させて自分の人生振り返ることで自己認識をさせる「回想法」があります。
他にも赤ちゃんや子どもなどの違う年代の人とふれあうことで周囲に関心をもたせるように立ち向かう「リアリティーオリエンテーション」があります。
音楽がスキな人には音楽療法で、音楽を通じて過去を思い出させます。
動ものスキな人には、動ものとふれあうことで周囲への関心をもたせるようにします。
もう一度リハビリ治療も認知症の有効な手段です。
脳血管性認知症などの場合、麻痺がでたり運動機能に障害がでたりすることがあります。
そのため体の機能が低下して寝たきりにならないように予防するためにも、リハビリは大切な治療方法なのです。
また体の機能が低下して、自ら活動する機会が減ったり、自発的に何かをしようとする気持ちがなくなったりすることで認知症の症状が進行して仕舞うことがあります。
この症状進行を防ぐためにもリハビリは大切な治療手段です。
これらの治療方法を全て試せばいいわけではありません。
最初にも言いましたようにその人の症状や環境などに当てはまる方法を選ぶことが大切です。

アリセプト


認知症に効果を発揮する薬はどういうものがあるのでしょうか。
今現在認知症を根本から直す薬はありません。
ただしアルツハイマー型認知症の初期状態では薬を飲めば認知症の進行を止めることが出来る薬があります。
それは「アリセプト」です。
根本的な治療薬ではなく、あくまでも対処療法で症状の進行を止めて認知症が悪化しないようにするものです。
「アリセプト」はアルツハイマー型の認知症治療薬です。
脳の中のアセチルコリンというもの質の量を増やして、アルツハイマー型認知症や記憶障害の症状改善をします。
アルツハイマー型認知症の患者さんに進行の抑制や症状改善を期待して使われる薬です。
主成分はドネペジル塩酸塩です。
エーザイから発売されている薬です。
錠剤と細粒、水なしで飲める錠剤があります。
但し不整脈や気管支喘息や消化性潰瘍などの持病がある人の脳にアセチルコリンが増えると病気を悪化させて仕舞うため服用はできません。
副作用としては吐き気や嘔吐、発汗やよだれ、心不全や急性腎不全、肝炎や肝障害などを導き出すことがあります。
極まれに悪性症候群が現れます。
このアリセプトでは、アスピリンや非ステロイド性の消炎鎮痛薬や抗コリン系の薬など併用してはいけないものが多数あります。
服用の際にはどうしても医者に現在飲んでいる薬を伝えて指示に従うようにしてください。
認知症患者本人に薬の管理はさせないようにくれぐれも気をつけてください。
しっかり家族や周囲の人間が管理して服用させるようにしてください。

水頭症

手術することで直せる認知症があります。
それが「特発性正常圧水頭症」です。
水頭症には2つの種類があります。
「非交通性水頭症」と「交通性水頭症」です。
非交通性水頭症は脳脊髄液の流れが脳の中のどこかでブロックされてそれにより脳圧が高くなって意識障害や頭痛、嘔吐などの症状が生じることです。
交通性水頭症は脳脊髄液の流れが悪くなって、髄液が脳質にたまっていくことでゆっくりと症状が現れるものです。
脳圧も高くなるとは限らないので見つけにくく、そのうち歩行障害や認知症などの症状を起こします。
「特発性正常圧水頭症」はこの交通性水頭症の仲間です。
くも膜下出血などの病気の後に髄液の流れが悪くなり起こりやすいものが「続発性正常圧水頭症」。
これに対して原因が特に特定できずに徐々に脳室が拡大して髄液が少しずつ貯まっていくことで発症するのが「特発性正常圧水頭症」です。
この特発性正常圧水頭症の3大徴候としては、歩行障害や認知症そうして尿失禁があります。
この症状がでてありのまま放置すると3ヶ月程度で寝たきりになってしまいます。
特発性正常圧水頭症は60歳代後半~70歳代にかけて一番かかりやすいです。
特発性正常圧水頭症は手術をすることである程度直すことができます。
「シャント術」というもので、流れの悪くなった髄液の流れをよくするための手術です。
体内にシリコン製のチューブを埋め込むことで髄液の流れをよくします。
髄液を押し出すベストな量は個人ごとに違うため微妙な調整が必要となります。
症状の中で何より歩行障害に対して決定的改善効果を発揮します。