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押井 守

幻冬舎

グループ:Book

ランキング:3486

価格:¥ 798

発売日:2008-07

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カスタマーレビュー

好きなこと、とことん   (2008-12-26)
先日、小学校で出張授業をしました。
科学者(研究者や技術者)になるためには何をどう勉強していったらいいか、なんて話もしました。
ポイントは、

 好きなことはとことん
 嫌いなことはほどほどに

です。
ホントは、嫌いなことはやらなくてもいい、と言いたかったんですが、さすがに学校で話すことなので、「お父さんお母さんや先生に叱られない程度」なんて言って、お茶を濁しちゃいましたけど。
ノーベル物理学賞の益川先生のエピソードなんかも交えながら、好きな勉強、勉強に限らず好きなことは、学年の枠にこだわらずにどんどんやっていくのがいいと話しました。

小学生だって、好きなら中学生レベル、高校生レベルのことだって理解できるんです。理解できるようになっちゃうんです。
好きなことに関しては、テストで100点とって満足するんじゃなく、200点、500点、1000点・・・とどんどん上を目指して、担任の先生なんか超えちゃえ!って話しました。
そんな話をしたら、生徒さん、特に男の子の目がランランと輝いていましたね。

子どもに限らず大人でも、弱点補強と称して嫌いなことを無理にやったりするでしょ。
それは脳と心にダメージを与えますよ。
そもそも効率が悪い。
嫌いなことを無理してやると、好きなことをやる時間と余裕までもがなくなってしまうのです。
その結果、好きなことさえなくなってしまうんです。

好きなことをやれば楽しいし、効率もよくなります。
心と時間に余裕も生まれます。
すると、どうしても必要なら、嫌いなことにもちょっとは取り組んでみようという気も起こります。
だから好きなことをやっていった方が、反って嫌いなこともなくなっていくんです。
ぼくの経験からもそう言えますよ。

押井守『凡人として生きるということ』幻冬舎新書?760-から引用します。

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自由とは状態のことではない、と述べたが、自由とは常に「動機」とセットになっている言葉なのである。
ある人間が何かをしたいと望む。
それがどのくらい自在にできるかどうかが、自由と不自由の分かれ目なのである。
何もしたくない人間や社会とのつながりを放棄した人間に、そもそも自由はない。(57p)
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好きなことをとことんやることは、自由への道なんですね。
やりたいことがいつも心の中にある。
そしてそれをやれる条件を整えていく。
その過程こそが、自由なんです。

やりたいことをやるためには、社会とのつながりも重要です。
自由とは自分勝手とは違います。
好きなことをやることと好き勝手は違います。
家族、周りの人、会社、社会が認めてくれるから、好きなこともできるわけです。
好きなことができないからと引きこもってしまうのは、実は好きなことができないのではなく、好き勝手ができないだけなんです。
よく「自由をはき違えるな」と言われるけど、それはそういう意味なんだと思います。

好きなことをとことんやるために、それを社会が認めてくれるためにはどうすればいいのか。
嫌いなこと、嫌なこともほどほどにやることも必要かもしれない。
それより、自分の好きなことが周りの人たちもハッピーにしていくなら最高です。
そこまで考えて実践してこそ、自由を得ることができるんだとぼくは思います。

単なるオヤジの繰言に聞こえてしまうかもしれない   (2008-12-17)
いわゆる「偏った」映画監督による、
本人の主張を前面に押し出した一冊。
「友達なんか、いらない」と挑発し
アキハバラを擁護する。

氏の作品/主張(押井節)が好きな読者ならば
すこぶる面白いし、残念ながらそうでなければ
単なるオヤジの繰言に聞こえるかもしれない。

映画監督の頭の中   (2008-10-28)
 オタク論、コミュニケーション論、格差論など、現在騒がれている話題について、著者が自由に語っているという内容でした。

 でも、そこは映画監督、切り口や内容が独特で面白かったです。人によって物事の解釈はこんなに変わるんだなぁと関心しました。私は映画監督って普段どんなことを考えているんだろうと常々興味があったので、少しなりともそれがわかったのがよかったです(もちろん、映画監督も100人いれば100通りの考え方があると思いますが)。

 この本は「幸せな人生を生きる教科書」というより、「他人の考え方を知ることができるエッセー」という意味でオススメします。

飾らないから良い   (2008-10-07)
 本書を読んでも著者が飾ることなく書き連ねていく様は清々しい。前置きでおくまでも個人的見解であると断っているのが好印象である。
 オヤジ、勝敗、セックス、文明、コミュニケーション、オタクなど面白い話が聞けた。

素晴らしい映像技術と、共感できない世界観   (2008-10-04)
言わずと知れた日本を代表する映像作家の著書。

内容には違和感を感じるところが多く、しんどい読書となったが、以下雑感。

冒頭のオヤジ論から始まる論考は、それなりに面白い。興味を感じたのは自らの体験と重ねて考えを展開しているくだり。「テーマがあれば話せる」から「仕事を通じた社会性」への展開や、仕事仲間と友情についてのくだりは頷ける。
 
しかし、最後の「格差論」は理論展開が極端で、読むのは賛否以前に、しんどい。
「格差論の根底にあるのは人間の嫉妬」として、これを「完全に」無くせるとすれば、完全なフラットな社会、それができるのは、ナチズムなどの政治体制として、「格差」の完全な解決を目指すことが全体主義へとつながりかねないとしている。

格差の現状認識の相違や極端な目標設定から極論へと至る展開など指摘すべき点はいくらでもあるが、何よりこのような見方が「物事の本質を見極める」ことであり、本書のテーマだと言われると、本書の意義や主張そのものに疑問が湧き、最後はかろうじて読み終えた。

この「格差論」の章が取ってつけたような印象がとくに強く、それまでの自然体で語っている印象から異なっている。押井作品の登場人物が唐突に主張を展開する『語り』を連想させる。

その素晴らしい映像に惹かれるが、その哲学には全く惹かれない原因がこのあたりにあるのだろうか。押井監督は、「好き、嫌い」で割り切れない監督である。

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